娘の十一歳の誕生日に、「どんなケーキがいい?」ときいたら
「プーのお話に出てくるの」といわれてしまいました。
うちには、この本があります。
もともと、わたしがこどものころから持っていた古い本です。
プー好きな娘は、何度も何度も読み返しています。
この本のなかに、ピンクのケーキが出てきます。
原作でいうと、ここのところに関係あるケーキです。
「イーヨーがお誕生日に、お祝いをふたつもらうお話」より
(石井桃子さま翻訳の岩波のハードカバーで91ページのあたりです)
(ロバのイーヨーのせりふから、引用はじめ)
「かなしそう? わたしがかなしんでいいものか。
きょうは、わしの誕生日じゃ。一年じゅうで、いちばんうれしい日なんじゃ。」
「あなたのお誕生日?」と、プーは、たいへんびっくりしていいました。
「もちろんじゃ。わからんかね?
わしがもらった、このたくさんのお祝いを見てくれ。」こういって、イーヨーは、あっちこっちと前足をふり、「バースデイ・ケーキを見てくれ。ロウソクもたってるし、桃色の砂糖もかかってる……」
プーは見ました、はじめ右を見て、それから左を……
「お祝い?」と、プーはいいました。それから「バースデイ・ケーキ?」と、いって、「どこに?」
「おまえさんには見えんかね?」
「見えないな。」
「わしにも見えない。」と、イーヨーはいいました。「じょうだんじゃよ。はァ! はァ!」
(引用おわり)
このケーキ、と娘がいったのです。
うっかりしていて、ケーキのことは忘れていました。
ハッと思い出したのは、月曜日、誕生日は金曜です。
こんな重要なミッションをあたえられて、うけてたたないわけにいきません。
なにしろ、みなさまご存じのとおり、いちばん大切なものは目に見えないし。
くまのプーさんは、そもそもわたしが大好きで、娘にも好きになってほしくて
小さいころから、いろいろあたえて「洗脳」してしまった作品なんだし。
かといって……本のレシピどおりに作るのは、かなりハードルが高いです。
誕生日には学校もあるし、放課後には、娘を美容院につれていくことになっている。
あまり時間の余裕もありません。
「カステラを買ってきて、ピンクの砂糖液をかけるんじゃだめ?」
「…………」
「バームクーヘンに、ピンクの砂糖衣をかけるんじゃだめ?」
「……いいけど……」
ものすごく不満そうです。
「わかった。ちょっと検討してみる」
楽天でケーキ台をさがし、
「ホームメイドショップきくや」さんをみつけました。
娘は風邪をひいてしまい、誕生日イブと誕生日当日、
学校をやすんでしまったのですが
おかげで、いっしょに、作ったのがこれです。
ピンクの砂糖衣(アイシング)の色の調合にめっちゃこだわりました!
ロウソクがたってる写真がなくてすみませんが、
かわいいのをちゃんとたてて、
はぴばすでー歌って、吹き消しましたよ!
なかなか素敵なのができたので、ここにかざっちゃうことにしました。
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