彼とは長い?

 

仲のいい夫婦にかぎって、こどもができない。

そういう話をきいたことありませんか?

それは事実なんでしょうか? もしも事実だとして、……なぜなんでしょう? どうにかすることはできるんでしょうか?

 

 

出会って間もない時や、恋に落ちたばかりの時ほど、情熱は高いのがふつうです。愛し合う回数もその頃が圧倒的だったはず。あなたがたは、もう「長いこと」夫婦をやっているのではありませんか。それでも、いまもじゅうぶん愛し合っていると断言できますか。ズバリききますが、ちゃんと頻繁にセックスしていますか? もしや「排卵日」周辺にしかしてない、なんてことはありませんか? 

 

暴力夫にさんざん泣かされて離婚したがっているはずのおくさんは子だくさんだったり、もうイヤといっていたはずなのに、なぜか「また」妊娠したりする。

暴力が得意な体格や性格・不愉快なことがあると暴力に訴えて解決するという生活習慣を持つようになった遺伝子は、暴力に訴えることによって生殖を成功させるという独特な戦略にでる。戦略といっても、暴力夫さんが「なぐってやろう、そのほうが、オレのこどもがいっぱいできるし」と考えたというのではありません。遺伝子が(遺伝子の持ち主である暴力夫さんの知らぬ間に)そういう作戦に出ることにしたのです。

人間として尊敬できない種類のDV男性ですが、にくらしいことに、その精子は、どうも、繁殖成功率が高い。

しかも、DVのひとは、「暴力をふるって、妻がけちょんけちょんになると、それをみてハッとして、すまんすまんとあやまり、ウソのようにやさしくふるまう。はたまた、そのついでに、あるいは、仲直りをしたしるしに、セックスをする」傾向がたかい。暴力ふるわれる奥さんにしてみると、暴力の反動のやさしさが忘れられなくて別れられなかったり、セックスがとてもとてもとてもよくて、別れられなかったりとかするらしい。しかも、このようなかたちのセックスは、これがまた、よくあたる(笑)。妊娠させる率が高い。

そういうタイプのオトコのひとを好きになってしまう、という遺伝子をもっている女性(おとうさんがそうだったのかもしれませんね)は、妊娠しやすい、のかもしれませんね。

そんな乱暴で態度がころころかわるような、理性的じゃなくて信用できないオトコは、イヤだ、うっかりつきあっても、そんな本性をだしたらキライになる、はやく別れたいと思いそうなものですが、こういうオトコのひとがあきらかに特別に好きなひとがいるんですねぇ。はっきり意識して好きかどうかわかりませんが、こういうふうじゃないとオトコらしくないと感じるのかもしれません。そういうタイプの男性は経済的にも女性を縛りたがります。わかれたら生活できないから、わかれられない。こどもがいっぱいいて、めんどうみなきゃならない、夫がいなかったら、どうやってめんどうみていいかわからないから、わかれられない。かくて、このパターンのカップルの繁殖はどんどこ成功する。というか、このパターンの男女のくみあわせで、妊娠しなかったら、あるいは、セックスが得意でなかったら、さっさとわかれてしまって、こどもができないから、遺伝子がつたわらない。つたわらないから、ほろびている。人類発祥以来、とにかくほろびなかったタイプのひとたちだけが現代げんに生存しているわけで、この手のタイプの遺伝子は、「乱暴」と「セックス好き⇒こだくさん」と「経済支配」がぜんぶセットになっている率が高い。

 

☆☆☆

ともだち夫婦の仲良し夫婦というのは、これの、正反対。

仲良しだからいっしょにいる。

いっしょにして楽しい。

いったらなんだが、実は夫婦(夫婦生活をいとなむ男女)である必要はない。

これは、

世の中がゆたかになって、

男女平等という斬新な考えがひろがってから誕生した、新しい種類のカップルです。

 

オトコがことさらおとこっぽくなくても、

オンナがことさらおんなっぽくなくても、

かまわない。

 

性的魅力より、人間的魅力のほうが重要。

生活を波風たてずに立ち行かせることより、個人としての生きがいの充実が大事。

 

昭和のころには、

一生独身生活を謳歌するひとは変人だといわれてましたし、

離婚するのは辛抱がたりないからだといわれてましたし、

女にはガクモンは必要ないといわれてました。

ちょっと前まで、

男性よりも女性のほうがデシャバッてるカップルはよくない、と思われてました。

(“三高”ってありましたよね?)

 

 

常識なんて、ころっころかわります!

十年一昔。

ハイテクな世の中は、日進月歩どころか、秒進分歩です。

 

政治や経済、文化の面ではたしかにそうです。

でも

生命の常識は、そんなにはやくはかわらない。

生き物の設計図はそう簡単には変化しない。

遺伝子がかわったら「突然変異」です。

それは、そうかんたんにおこることじゃない。

 

 

 

だから、なんです。

「仲のいい夫婦にかぎって、こどもができない」のは。

錯覚じゃないです。とうぜんなんです。

 

頭脳(高度な精神活動)と肉体(実は感情もそっち)は、

うまくジョイントする場合もありますが、

互いに相手の邪魔をしてしまう場合、

バラバラにはたらいてしまう場合もあります。

 

(陰陽でいうと、頭脳が陽で肉体が陰、

理性は陽で感情が陰、だそうです)

 

「仲のいいともだちカップル」は、つまりは  頭脳>肉体  派。

ふたりとも陰陽の「陽」が強い。

よく言えば、知性派。

悪く言えば、頭デッカチ。自然にそむいている。

 

 

人生の多くの局面で、頭脳>肉体は役に立ちますが、

こと、生殖、という、とてもプリミティヴに動物的な部分では、

肉体>頭脳

であるほうがうまくいく。

あるいは、そうでないと、うまくいきにくいのかもしれません。

 

 

 

頭脳派の「ともだちカップル」が多くなって、

共学の学校生活や、男女機会均等法社会になじんで、

「男だろうと女だろうと人間じゃん」と思っているひとが多くなっていても、

生殖にかかわる遺伝子(のたぶんほとんど)は、

人類の大多数が原始暴力夫とそのアワレな妻だったとき

の、まんま、かわってない。

 

 

 

ともだち夫婦は夫婦だと思わないんですよ。遺伝子は。

 

 

 

 

肉体は、いつもいつも頭脳の「てした」にされていると、うんざりして、

たまに反逆したくなるのかもしれませんね。

 

文明社会では、 頭脳>肉体 のほうがいいと考えがちですが、

たとえば、災害時とか、戦争のときとか、

ほんとうにぎりぎりのサバイバルの時になったら、

理屈をいうやつよりも、肉体が頑健なやつが勝つ割合が高くなる。

地球温暖化とか、テロリストの暗躍とか、核施設の事故とかで、

ある日とつぜん、

人類がぜんぶ滅亡しそうになるかもしれないじゃないですか。

頭脳>肉体 なひとばかりだと、あっけなく、ほろびちゃう。

肉体>頭脳 も、いないと困る。

 

人類は(遺伝子レベルで)

人類がほろびそうな時に、いつもそなえているんです。

 

 

 

以前、「不妊治療における竹内久美子入門」のところにも少し書きましたが、

 

長年いっしょに暮らした同士というのは、家族のようになってしまって、繁殖成功率がさがるんです。

(これは人間にかぎりません)

 

また、赤ちゃんが欲しくて欲しくて熱心になるあまり、セックスに対してやたら計画的になり、まるで「事業計画」のような真摯でまじめな態度になってしまうタイプのひとが、少なからずおられるようです。

卵子は生まれつきもっている数から減りこそすれ増えることはありませんが、精子というものは、つかえばつかった分だけセッセと生産するようにできています。また、長期保存はききません。鮮度が重要なのです。精子は射精後48時間以内が鮮度良好、排卵された卵子では排卵後6時間が「受胎可能性あり!」ということです。また、精子の場合、よほど極端に(ティーンでもないのに毎日数回ずつとか)しすぎでないかぎり、ほどほどに頻繁に射精しておいたほうが、鮮度のためにはよろしいのですとか。射精にいたらなかった精子はほうっておくとやがて吸収されるのでございますが、……古いのを毎度毎度回収して再生産しているってえと、なんとなく、あのう、イメージですが、古紙100パーセントで、さらにもういっかいリサイクル、みたいな感じがしますよね。エコはたいせつですが、そんなに何度も何度もリサイクルしておくと、やはり遺伝子にも傷がつきましょう。「在庫」は、ちょうどいい感じで回転している状態のほうがもっと望ましい。

(コンビニの生鮮食料品売り場を考えてみてください。あまりにも人気が高すぎてどんどん売れてしまうものをおいておこうとすると、仕入れを確保するのがたいへんです。ウリキレで、タナがからっぽになってしまっている時間が長いと、店はソンですし、お客さんに不満がでます。また、飲み物などの場合、ちょうどいい温度に冷やされる間もありません。かといって、やたら売れ残ってばかりでも困ります。賞味期限がきてしまって捨てられるほうが多かったりすると、そのうち、注文されなくなって、他の、似たような品物にとってかわられるでしょう。あくまで、ほどほどに、ちょうどいい売れッぷりのものが、いいんですね)

…よく、

排卵予定日の2日前から排卵日の翌日くらいが、妊娠可能性が高い!

といいます。

しかし、そもそも、排卵日というやつは、来てみてくれないことにはハッキリわかりません。生理が不順だったり、基礎体温表がいまいちキッパリしていなかったりすると、余計わかりにくい。なのに 「なにがなんでも排卵日にアテよう!」などと思うあたりから、悲喜劇がはじまります。

なんとなーくいい雰囲気になって旦那さんが誘いかけても、

「あら、だめよ。やめて! 予測されている排卵は、ひいふう……92時間後よ! こんな日にするなんて、もったいない! 今日の分はちゃんとためておいて、その分、あさってとかしあたってとかに、二回してちょうだい!」

なんてことをおっしゃったりする。

もしくは、

「あっ、いま排卵した! 排卵したって感触がしたわ。敏感になっているからぜったいよ。いまよ。いまったら、いまして!」

なんてことをおっしゃったりする。

男性というのはあれでけっこうデリケートですから、そんなこんなのうちには、なさりたい気分もしょげてしまいますし、精子さんのほうも、いまひとつ、出撃するぞー! という気概が落ちてしまったりしないともかぎりません。

それよりはですね、

ふつうに、ほどほどに、せっせとしとくのが一番。

特に、「女性が、理詰めで考えぬいた受胎計画プロジェクトを(へきえき気味の旦那さんに)、積極的におしつけちゃいけません!」

ここです。ここ、キモです。試験にでます(ウソです。でません)。

女性は「ウケミ」にならないといかんのです。

だから、

1・もしなにがなんでも計画をたてたいなら、旦那さんにたててもらうこと。データを示し、理論を示し、自分の考えをこまかく伝えてもいいです。でも、そのあとは、まかせてください。 どうやって排卵日を予測するか、そして、いつセックスをするか。すべて、旦那さんにまかせる! いちいち確認しない。計画もきかない。まして、反論はぜったいしないこと。

2・いろいろ考えて計画するのをめんどくさがる旦那さんだったら、「旦那さんがしたくなったらいつでも」「旦那さんに気持ちよくできる時」に、なるべく回数多く、マメに、してもらうこと。 差別やんか! ええそうなんです。でもしょうがないじゃないですか。女性はウケミ。考えるとか、判断するとかは、男性にまかせる。それが「アテる確率」をあげるぜったいのポイントなんですから。ほんとです。

 

なにも新婚当時のように、あけてもくれてもしないとあかん、というのではありません。

「赤ちゃんが欲しい」あなたの気持ちがつうじるなら、きっと、旦那さんだって、できるかぎりのことをしてくれるでしょう?

 

 

セックスレスではありませんか?

妊娠したい、妊娠するぞ、妊娠させてちょうだい〜! ……みたいな心境におちいっておりますというと、セックスというのはすでにもはや完全に「妊娠するための手段」になっていたりします。色っぽい気持ちとか、やさしい気持ちとか、あやしい気持ちとか、皆無になって、ただひたすら、いったいどうすると効率的に妊娠できるのか、のほうにすっかり関心がいってしまったりします。

「セックスこそが生きる意味、人生の目的、セックス大好き、なにがなくてもセックスが一番、三度のごはんより眠るよりセックス、とにかくしたくてしょうがない。すれば最高、気持ちよくてしょうがない。だから、誰とでも何度でもしたい。できるだけたくさんしたいし、できるだけいろんなことをしてみたい」というように考えるかたというのは(そんなひといるのか、といわれそうですが)、あまり、なにがなんでも赤ちゃんが欲しいとは、思わないような気がします。それとそれとには、出てる脳内物質があきらかにちがいそうです。

しかしです!

このへんが難しくてしかも皮肉なところなんですけど、セックスは、それを(手段ではなく)目的としている時のほうが、どうも、あきらかに、妊娠に結びつきやすい。

「不妊治療における竹内久美子入門」にもかきましたが、

レイプは妊娠しやすいし、若い子がうまれてはじめてセックスした時も(女体の発達具合にもよりますが)妊娠しやすいし、別れろきれろのモメごとをうやむやにごまかそうとあと一回だけとやってしまった時とかっていうのは妊娠しやすい。

逆にいえば、「妊娠」を目的としてセックスすると、妊娠しにくいです! ……不便ですねぇ。

したがって

長年つきあってきて、それでもラブラブで、愛情はほんとうに問題なくたっぷりあるけど、もう別にいまさらセックスなんかしたくないし、しなくてもいいんだけど、でも、赤ちゃんは欲しいから、最低限度、なるべくあたりそうな排卵日の周辺だけ、めんどくさいけど、かろうじてセックスする、基本的にはセックスレスなカップル……というのは、とってもとっても妊娠しにくいんです!!! ……ほんとうに不便ですねぇ。

↑この状況を打破するためには、とにかく、まず、旦那さんにその気になってもらうこと。それには(竹内久美子のところのくりかえしになりますが)、

浮気と転地療養

じゃないかと思います。奥さんだけ、誰か別のともだちと(できればオトコともだちと)どこかたのしいリゾートとか温泉とか海とか山とかにいって、パァッと一週間ぐらい、ヤッホーと遊んでくる。かえったら、速攻でする。これです。おいてけぼりにされた旦那さん(とその精子)が、「なにくそ、〇子はオレのもんだー!」と思う。その思いが大事。

子宝温泉というのも、ひょっとするとこれの応用編じゃないですかね? もうすっかり倦怠期になりかかっているカップルでも、温泉はいってのんびりしたり、おいしいもの食べて「もういっぱいいかがなんて、みょうに色ッぽいね」の気分になったりするのがいいとか。だったら、この場合は「ふうふそろって」子宝温泉にきちゃっているんですから、「嫉妬」をうまくつかう。たとえば、奥さんは湯上がりでもとにかくキレイにして、よその団体さんのおじさんとかおじいさんとかとカラオケでもいっしょにやって、「モテまくる」! すると、旦那さん(とその精子)が、「なにくそ、〇子はオレの妻だぞー!」と思う。この思いが大切。

というわけで、ウケミの女子としては、旦那さんに「ああー、そんなにきれいになっちゃだめだ! ヤバイよ」といわれるぐらい、どーんときれいになってください!

不妊治療はなにかとオカネがかかるわけですが、なにやらたいへんなお注射一回分の料金ぐらい、たまのリゾートゆきとかに、ドーンとまわしてみませんか。そして、あなたがより美しくなるための費用にも。美容院とか、化粧品とか、ドレスとか靴とかの代金にも。愛されなくちゃ。激しく、もとめられなくちゃ! ラブラブなふたりの、そのこころのゆとりを、なくしてしまわないで。