Layla & Mahane

 

                                まえがきでもありあとがきでもある

 

 

 はいみなさま。こんにちは。久美沙織です。

 ここを見つけてくださってありがとうございます。

 読んでくださってありがとうございます。

 応援してくださってありがとうございます。

 

 『夢の音 海の色』ですが

 

 『儘(まま)』というタイトルをつけていたことがあります。

 『いちばん好きな海のいろ』と呼んでいたこともあります。

 

 この作品の原型が誕生したのは、もうずいぶん前のことです。

 

 小学四年生と五年生のときに、一生のたからもののような日々を過ごしました。

 岩手県の沿岸部、吉里吉里という名前のちいさな町でのことでした。

 あの夏の、 忘れがたい光景を、形にして、残しておきたいと思いました。

 

 書きあげたものを、いろいろなかたに読んでいただきました。

 残念ながら、

 なかなか、本にしていただくことができませんでした。

 ある時、興味をもってくださるかたがありましたが、

 「描かれている時代や内容が古すぎる」

 と言われました。

 おもに若い読者を想定しているレーベルだったので、

 「もっといまどきな若者を主人公にして、

 この『夏』は、遠い思い出のようなかたちで描くことはできないか?」

 なるほど、と思って、すこしたったら

 「マハネ」が生まれ。

 それまでなかったものが生まれてきて、くっつきました。

 

 「なにかをつくること」ならば、

 どんなジャンルだろうと同じだろうと思いますが、

 どこまでいったら終わりかを決めるのは、とても難しいことです。

 

 だから、とりあえず、ここで「いちど、まとめて」みます。

 

 わたしが自分のサイトで勝手に発表するものなので、

 勢いというか、
 かんじている「波」みたいなものにのって
 やっちゃいたいように、

 すみません、
 全体、
 あくまで、パイロット版というか、「第一稿」あるいは「デッサン」で
 完成形ではない、
 改変する可能性がある、
 発表中にも、刻々とかえていくかもしれない、
 という
 スリリングなかたちをとります。

 やってみるまで、なにがおきるかわからない、
 つかえたり、へんてこになったり、
 もしかすると

 「すみません、工事中です、いまはごらんいただけません」に
 なることもあるかもしれませんが

 ライブの

 小説をやってみたい。



 おもしろがっていただければ幸いです。

 

 好きになってくれるかたがあれば、嬉しいです。

 

 「きっと、こういうの好き」な、おともだちがあったら、

 こんなのあるよ、知ってる? と、ご紹介いただければ幸いです。

 

 紙の本にしたい気持ちもまだ失ってはいません。

 紙の本でなければ手にとってくれないかたもあるにちがいなく、

 そういうかたにも、いつかは とどいてほしいと思うからです。

 

 さて

 物語の舞台のひとつである 吉里吉里は、実在します。

 さっきも言ったように。

 岩手県沿岸部。

 ラグビーと製鉄所で有名な釜石の近くにある、大槌町の一部です。

 3.11のときに、地震と津波で、とても大きな被害にあいました。

 町や暮らしには、いまも、大きな傷と痛みの記憶が残っています。

 家並も、線路や道路も、あのころとは、

 そして、災害の前とは、ずいぶん違ってしまったでしょう。

 でも、海は。

 砂は。 

 リアス式海岸の岩崖の中で、ぽっかりそこだけ白いさらさらの砂は

(真っ白ではなく、黄色みがかったベージュ、象牙のような色の砂です)

 どこもなんにも変わっていないように思えました。

 

 原稿はいちおう800枚ほどあります。

 少しずつ、公開していきます。


 更新しましたら、ツイッターで報告するようにいたします。
 @kumisaori
 をフォローしておいていただけると幸いです。

 最後のほうは、少し、いや がんばって 手直しをしたいので

 発表するスピードが遅くなるかもしれませんが、

 できれば この「夏」じゅうに、なんとかしたいと思っております。

 

 楽しんで、おつきあいいただければ幸いです。 

 

                     2016年7月11日  くみさおり