靴は幸福を運ぶもの。幸福の象徴。「人生最初の靴」は一生のたからものになり、良い記念にもなる。娘はわたしの仲良しに、ぬわんとエルメスのおしゃれなシューズ(室内ばき)をプレゼントしてもらってしまった。すてきであった。メッチャ幸福になるに違いない! ★ 立てるようになるかならないかのうちから、少しずつ靴にならさないとならない。こどもさんがどのぐらい頑固でものにこだわる性格かにもよるが、「歩いたことがない」のと「靴をはいたことがない」のと、未体験ゾーンがダブルで立ちはだかるとたいへんだ。とりあえず、人間は靴というものをはくものなのだよということを思い知らせておくためには、ほとんど歩けないうちに、一回数分いや数秒でも、靴というものを足にくっつける経験をさせておいたほうがいい。 ★ つまり、実用方面でいうところの本来のファーストシューズは、外出用というよりは室内用である。この点を勘違いしないように。また、「どうせそのうち外にでかけるんだから」と、外出用と同じものですませようとしないこと。 ★ 室内で、それまでいつもいたところで、靴をはいて歩くことになれてから、外出しよう。室内用であるからこそ、底までくにくにゃでやわらかいもの、ほとんどクツシタみたいなもの(ブーティー)などが有効になる(外出用にもつかってつかえないことはない。もちろん、ベビーカーにのせて(すわらせて)いる時とか。てづくりしたっていい。ただし、じっさいそれで歩くには、芝生や砂の上など、よほどやわらかないところじゃないとシンドイかもしれない)。 このような「室内用ファーストシューズ」はほんとうに短期間しかつかわないし、実用というよりは、ほとんど「おまじない」のようなものである側面もあるが、二足歩行という人類の象徴を学ぶためのたいせつな「だいいっぽ(文字どおり)」だ。「通過儀礼」として、真剣に対処しよう。外国メーカーだと(靴をはいて室内ですごす文化圏のせいか)お洋服の全身セットにちゃんとおそろいのブーティがあったりする場合もある。カワイイ。
外歩きのほうに対応する最初のシューズを選ぶ場合の注意点 このへんとか このへんとか も参考にしてください。
1・赤ちゃんは靴があってるかあってないか判断することもできないし意見をいうこともできない。だから、とりあえず、ちゃんと正しくはけているかどうか、親のほうに確認できるようなカタチが望ましい。具体的にいうと、はきぐちがガバッと大きくひらいて、足をきちんと中敷きの上においてから、かぶせてくるんでとめるようなカタチ(たとえばコレ)など。 ★ ちなみにわたしは「GAPのサンダル」もひとつ手にいれた。濡れても平気そうな素材で、ハダシにはいて、後ろベルトをサイズ調節して足にくっつけるカタチである。これなら、ちゃんとはけているかどうか、指がどうなっているか、足の裏がどのぐらい中敷き部分に密着しているか、はいてから、はきつづけてどうなっていったか、いちいち目で確認できる。ただし、ハダシではくもので、指などムキダシなので、石にでもつまづいたりしたらケガの可能性はあったし、底は非常にかたく、歩きにくそうだった(ベビーは靴というかたくて変型しないものをくっつけて歩くことに慣れるのにしばらく時間がかかる)。こんなものを長時間はかせておくのは、ベビーにとって負担である。あくまで「靴をはくというのはどういうことなのか」慣れさせる練習のつもりで、ちょっとはいてみさせてはすぐに脱がした。
2・サイズがよくわからない・すぐ変わる! だから、こんなのとか、こんなのとかもある。が、「ってことは底にスリットがあるってことで、どろんこの上あるいたら、しみちゃわない?」とわたしは思った。アスファルトとコンクリートの都会ならそんな心配はあんまりないかもしれないが、イナカ道では雨降りのあとなどはどろんこどろみずジャップジャプなのである。で、みつけたのが無印良品のトドラー。中敷きがいっこついてきて、はずすと、0.5センチ大きいサイズにあうようになる。うちでは、12センチ(中敷き使用時には、11.5センチでスタート、三カ月ぐらいしてから中敷きをはずした。メチャクチャはかせやすく、しかも、軽い! 他の靴ではあるかなかった娘がこれでスタスタ歩き出しました。 ★ そうしていったん靴になれてしまえば、あとはデザインなりお値段なり自分で「コレ」というのをさがせばいい。 ★ スポーツメーカー(たとえばナイキとかコンバースとか)のシューズもなかなか良い。さすがに見るからにスポーティーなので、がしがし歩く子にはむいていると思う。ただし、わりと高いです。
3・イッコのお気にいりにだけ馴らしてしまうと、他のじゃイヤ! ということにもなりかねない。サイズがあわなくなったとき、ひさんだ。はたまた、お外あそびをするようになれば、思いがけずビショ濡れになったり、どろんこになったり、砂まみれになったりして、洗いたくなることも。なので、「このサイズでとうぶんだいじょうぶのようだ」という見当がついたら、二・三足はゲットしておいたほうがいいと思う。おしゃれ用ではなく、実用なもののハナシですよ。おとなの靴もそうだが、毎日同じものをつづけてはいていると、足も靴もいたむ。
ちなみに雪国ではブーツが欲しいし、雨降りの時には長靴が欲しいが、やはり「最初に歩く練習」をそれでするのは、ちょっとむずかしいと思う。足にぴったりすぎるとはかせにくいし、ちょっとおおきいとガボガボひきずってあるいてしまう。真冬の積雪時でもたとえば広いホームセンターの中など、床がきれいに掃除されていてスタコラ歩けるはずなので、より「歩く練習むきの靴」をはかせて(雪部分は抱っこで)つれていくとよいかと思われる。 |