おすわり→つかまり立ち期(〜10カ月ぐらい)

 

おすわりができるようになると、赤ちゃんといっても、もうすっかり「ちいさなヒト」だ。つかまり立ちをするようになると、赤ちゃんの世界は三次元的になる。いたずらされて困るものは、より高いところへ、手のとどかないところへ、しっかりしまっておけるところへ撤去しなければならない。ひきだしや引き戸はあけてしまう。たちあがる時のきっかけにしたり、つかまり立ちで移動する時のテガカリにしたりするところが必要になる。つかまっても大丈夫かどうか赤ちゃんにはわからないから、思い切りしがみついて、椅子をひっくりかえしたり。テーブルからたれさがっていたものを引きずりおろしたり。 ボタンや電池、コインなどをうっかり飲み込んでしまわないように、親はほんとうにハラハラだ。

 

ベビー服
ベビー二度目の夏を迎えて、ようやくわかったことがある。それは「月齢とからだの大きさ・おとなっぽさは、その子次第」だということだ。ベビー服についての項目の最初にかいたとおりだが、日々、それを思い知っている今日この頃なのである。 ★ どういうことなのかというと……ウチの娘は体格は小さいのだが顔つきや態度は比較的おとなっぽい。なので、まだほんの一歳三カ月なのだが、すでに「あまり赤ちゃんっぽいものは似合わない」のだ〜! まさかそんなことになろうとは思っていなかった。 ★ なにしろうまれてはじめての赤ちゃんで、赤ちゃんがきてくれたのが嬉しかった。だったら、赤ちゃんらしいベビー服着せたいじゃないですか。ていうか、そうしか考えられないじゃないですか。で、サイズとか、よくわかんなかったのだが、「とりあえず、いまより大きいものなら、あとからちょうどよくなった時に着せればいいじゃん」と思ってしまった。 で、サイズ80だけど赤ちゃんっぽい服(ロンパース型で、真っ赤で、クマちゃんとかウサギちゃんとかのアップリケがついてる、みたいな)をけっこう用意してしまっていたりした。 ★ 去年の夏、娘はほぼ「60」サイズがぴったりで、「80」はまだぶかぶかだった。今年、娘は「実寸身長75センチ」ぐらいなのだが、すでにふつうの「ワンピース」とか「ジャンパースカート」のほうが似合うようになってしまった。かくて、「サイズはデッカイけど、なんかとっても赤ちゃんっぽいデザイン」の服が、たくさん、ほとんどつかわず無駄になってしまった。 ★ 好みもあるし、その子のタイプやルックスにもよると思うが、「赤ちゃん赤ちゃんしたデザイン」はおすわり→つかまり立ちの頃まで! というのがひとつのメド。
ブランドごとにこんなに違う! 左から

babyGAP stage3 6-12mos 66-70cm 7-10kg

PETIT BATEAU 12m/74cm

ユニクロ ノースリーブインナーボディ 70

いずれも新品ではなく、何度か着用し、洗濯した後。ギャップもプチバトーも胴長ぎみ。(ただしサイズの大小はデザインや素材にもよるので、この3ブランドでも、左図のような比較がすべてにあてはまるわけではない)

おすわり姿勢が安定してきたなぁと思ったら、もう、つかまり立ちがはじまる。立ち上がると、ベビーは、グッと痩せる。立てるようになったのが嬉しくなって、ヒンズースクワットの軽めのやつのような動きをさかんにしたりすると、アッという間にからだが、ことに、お尻から脚にかけてが筋肉質になり、しまってくる。すると、ひょん、と脚だけ長くなったようにみえる。 ★ 季節にもよるし地方にもよるが(北海道の真冬なのか、沖縄の真夏なのかなどで事情がちがうと思うが)つかまり立ちがそこそこできるようになったら、おんもであそぶ機会もふえると思う。すると、転ぶ。そりゃあ間違いなく、毎日何度もころぶ。庭や公園などで芝生などの比較的安全なところであそばせることができるならいいが、そうとばかりにいかないと、砂利道の地面やアスファルトの上でころぶことになる。そんな時、脚をむきだしにしておきたいと思うおかあさんは少ないだろう。かくて、ズボンやスパッツが活躍することになる。
左図はGAPのオーバーオール(モデルは一歳三カ月)。ポケットがたくさんあるかたちなどは、おとなもののそのまま縮小した本格的なかたちだ。わたしは大好きである。(親たち、ことに、おばあちゃんたちは、娘なんだからもっと女の子らしいものを着せたらどうかとちょっと思っているかもしれないが)内腿がスナップボタンで全開するし、内側には一面薄グレイのTシャツ素材の裏布がついている。ジーンズのごわごわした感触をカバーしているのだ。ちなみにおなじシリーズのジージャンにも、同じ種類のグレイ布が全面に裏についているものがある。 ★ 吊りひもの長さである程度大きさの調節がきくのでかなり小さいころからつかえる。すそをまくってもカワイイ(ただし、けっこう戻りやすい)。ウチの娘の場合、オムツをはいていてもお尻がちいさめなため、ゴムウエストのズボンはずりおちやすい。あまりにも股が垂れさがってくると歩きにくそうでかわいそうである。肩掛け式なら(ジャンパースカートもふくめて)ウエストのサイズに左右されない。 ★ じょうぶなジーンズ素材なので、ころんでも尻もちをついてもケガをしにくい。女の子らしさは、シャツやブラウスを、パフスリーブでフリフリなのにするとか、かわいいプリント・デザイン、色のものなどにすればいいのではないかと思う。

 

ベビー靴
靴は幸福を運ぶもの。幸福の象徴。「人生最初の靴」は一生のたからものになり、良い記念にもなる。娘はわたしの仲良しに、ぬわんとエルメスのおしゃれなシューズ(室内ばき)をプレゼントしてもらってしまった。すてきであった。メッチャ幸福になるに違いない! ★ 立てるようになるかならないかのうちから、少しずつ靴にならさないとならない。こどもさんがどのぐらい頑固でものにこだわる性格かにもよるが、「歩いたことがない」のと「靴をはいたことがない」のと、未体験ゾーンがダブルで立ちはだかるとたいへんだ。とりあえず、人間は靴というものをはくものなのだよということを思い知らせておくためには、ほとんど歩けないうちに、一回数分いや数秒でも、靴というものを足にくっつける経験をさせておいたほうがいい。 ★ つまり、実用方面でいうところの本来のファーストシューズは、外出用というよりは室内用である。この点を勘違いしないように。また、「どうせそのうち外にでかけるんだから」と、外出用と同じものですませようとしないこと。 ★ 室内で、それまでいつもいたところで、靴をはいて歩くことになれてから、外出しよう。室内用であるからこそ、底までくにくにゃでやわらかいもの、ほとんどクツシタみたいなもの(ブーティー)などが有効になる(外出用にもつかってつかえないことはない。もちろん、ベビーカーにのせて(すわらせて)いる時とか。てづくりしたっていい。ただし、じっさいそれで歩くには、芝生や砂の上など、よほどやわらかないところじゃないとシンドイかもしれない)。 このような「室内用ファーストシューズ」はほんとうに短期間しかつかわないし、実用というよりは、ほとんど「おまじない」のようなものである側面もあるが、二足歩行という人類の象徴を学ぶためのたいせつな「だいいっぽ(文字どおり)」だ。「通過儀礼」として、真剣に対処しよう。外国メーカーだと(靴をはいて室内ですごす文化圏のせいか)お洋服の全身セットにちゃんとおそろいのブーティがあったりする場合もある。カワイイ。

外歩きのほうに対応する最初のシューズを選ぶ場合の注意点 このへんとか このへんとか も参考にしてください。

1・赤ちゃんは靴があってるかあってないか判断することもできないし意見をいうこともできない。だから、とりあえず、ちゃんと正しくはけているかどうか、親のほうに確認できるようなカタチが望ましい。具体的にいうと、はきぐちがガバッと大きくひらいて、足をきちんと中敷きの上においてから、かぶせてくるんでとめるようなカタチ(たとえばコレ)など。 ★ ちなみにわたしは「GAPのサンダル」もひとつ手にいれた。濡れても平気そうな素材で、ハダシにはいて、後ろベルトをサイズ調節して足にくっつけるカタチである。これなら、ちゃんとはけているかどうか、指がどうなっているか、足の裏がどのぐらい中敷き部分に密着しているか、はいてから、はきつづけてどうなっていったか、いちいち目で確認できる。ただし、ハダシではくもので、指などムキダシなので、石にでもつまづいたりしたらケガの可能性はあったし、底は非常にかたく、歩きにくそうだった(ベビーは靴というかたくて変型しないものをくっつけて歩くことに慣れるのにしばらく時間がかかる)。こんなものを長時間はかせておくのは、ベビーにとって負担である。あくまで「靴をはくというのはどういうことなのか」慣れさせる練習のつもりで、ちょっとはいてみさせてはすぐに脱がした。

2・サイズがよくわからない・すぐ変わる! だから、こんなのとか、こんなのとかもある。が、「ってことは底にスリットがあるってことで、どろんこの上あるいたら、しみちゃわない?」とわたしは思った。アスファルトとコンクリートの都会ならそんな心配はあんまりないかもしれないが、イナカ道では雨降りのあとなどはどろんこどろみずジャップジャプなのである。で、みつけたのが無印良品のトドラー。中敷きがいっこついてきて、はずすと、0.5センチ大きいサイズにあうようになる。うちでは、12センチ(中敷き使用時には、11.5センチでスタート、三カ月ぐらいしてから中敷きをはずした。メチャクチャはかせやすく、しかも、軽い! 他の靴ではあるかなかった娘がこれでスタスタ歩き出しました。 ★ そうしていったん靴になれてしまえば、あとはデザインなりお値段なり自分で「コレ」というのをさがせばいい。 ★ スポーツメーカー(たとえばナイキとかコンバースとか)のシューズもなかなか良い。さすがに見るからにスポーティーなので、がしがし歩く子にはむいていると思う。ただし、わりと高いです。

3・イッコのお気にいりにだけ馴らしてしまうと、他のじゃイヤ! ということにもなりかねない。サイズがあわなくなったとき、ひさんだ。はたまた、お外あそびをするようになれば、思いがけずビショ濡れになったり、どろんこになったり、砂まみれになったりして、洗いたくなることも。なので、「このサイズでとうぶんだいじょうぶのようだ」という見当がついたら、二・三足はゲットしておいたほうがいいと思う。おしゃれ用ではなく、実用なもののハナシですよ。おとなの靴もそうだが、毎日同じものをつづけてはいていると、足も靴もいたむ。

ちなみに雪国ではブーツが欲しいし、雨降りの時には長靴が欲しいが、やはり「最初に歩く練習」をそれでするのは、ちょっとむずかしいと思う。足にぴったりすぎるとはかせにくいし、ちょっとおおきいとガボガボひきずってあるいてしまう。真冬の積雪時でもたとえば広いホームセンターの中など、床がきれいに掃除されていてスタコラ歩けるはずなので、より「歩く練習むきの靴」をはかせて(雪部分は抱っこで)つれていくとよいかと思われる。

 

あそび道具
ティッシュを全部ひっぱりだされたり、携帯電話を奪われたり、テレビのリモコンに執着されたり。冷蔵庫をあけてマヨネーズのチューブをちゅーちゅー、なんてこともあるかもしれない。そんなベビーの欲望を満たすマシーンが『いたずら1歳やりたい放題』。ネーミングからしていいじゃないですか、ねぇ! ウチの娘はティッシュとマヨネーズと携帯電話への愛を遍歴し、いまは、「ドア」に夢中である。残念ながらまだカギをじょうずにひねることができない。ドアをあけて、わんこが「はっはっはっはっ(息をきらしてかけつけてきたらしい)ワンワン!」といってくれると、そりゃあもうニッコリする。 ★ プレイマットやメリーで音楽好きになったムシュメが次に夢中になったのが、輸入オモチャで「ブルースクルーズ」というあちゃらの幼児番組のキャラの、おもちゃのステレオ?みたいなもの。ベビーに持ちあるきできるミニサイズで軽さのプラスティック製品で、「PLAY」と書いてあるボタンをいっこ押すと、「ぽっぽっぽー!」と、たぶんブルース(うさぎ)のいつものセリフなんだろうなぁ、元気よく叫び、IC音楽が16通り鳴る。それがまた、クラシカルなのじゃなくて、ジャズっぽくてファンキーでノリノリなやつばかりなのである! めっちゃたのしい。娘はこのPLAYをおしまくり、ヒンズースクワットのように膝をまげてしゃがんで踊りまくるのであった。 ★ 踊る娘をさらに踊らせようとあたえたのが、タカラトミー、ベビープーいっしょにフリフリまほうのラトル ぬいぐるみのプーは、おなかをちょっと押すとめざめて「へっへっへー」とあそびにさそってくれる。まほうのラトルをひとふりすると(実は別のラトルでもいいし、それどころか、ある程度の音をだせばなにもラトルじゃなくてもいいのだが)「しずかな湖畔」とか「ロンドン橋落ちた」とか、からだを揺すりながら鳴らしてくれる。こどもは夢中になる。あまりに夢中で、動いているプーをHUGしまくったため、ある日プーが動かなくなった。ものすごく悲しむので、しょうがないからもういっこプーをゲット、修理できないのかとトミーさんに電話で相談した。こわれたのを送ったら(その送料だけ負担)修理できないからかわりに新品をくれた。ありがとうトミーさん。おかげでウチにはプーが二体いて、電池の具合でビミョーに音程のちがう歌をうたってくれるのである。
うちでは親が両方「なにかっちゅーと、なにかを手にして読んでいる」せいか、ムシュメも本とか雑誌とかカタログとかが大好きだ。読んでしまっていらなくなったものなどを与えておくと、真剣な顔つきでまるで読んでるようなふりをしたりする(さかさだったりする)。 ★ ペンをもってイタズラガキもはじめたので、クレヨンを手にいれた。ふつうのクレヨンは油性だが、こども用に、水性で(だから床に書いても拭けばかなり落ちるし、洋服につけても洗濯すれば落ちる。ただし、フスマとかにかいたらダメだろうと思う)、しゃぶっても、食べちゃっても、そんなに害のないものがある。