1月31日 かなさまからのおたより
はじめまして、こんにちは。
私は、現在16さい(もうすぐ17歳になります)の女の子です。
先程、これと同じメールを遅らさせていただきました。
私のミスで、中途半端なメールになってしまい大変申し訳ありません。
このメールはそのようなミスはありませんので、
読んでいただければ幸いです。
実は今、私はインフルエンザになってしまい
出校停止ということになり、家で暇な日々を過ごしています。
最近買ったにも飽き、過去に読んだ本をもう一度読んでみようと思い
本棚へ向かうと、一番に目にとまったのが2年前に買った『丘の上の家のミッキー』でした。
先生がお書きになられたこの『丘の上の家のミッキー』は、
学校では(教科書以外)滅多に本を読まない私が唯一、休み時間などの
あいている時間にさえも読んだ本なのです。
あの時は、一分・一秒がすごく貴重に感じました(笑)
普段は男女を問わずクラスの友達とギャアギャア大騒ぎをしている私が
あんなにも必死に本と向き合っていたと思うと、ちょっと笑ってしまいます。
でも、必死だったということはそれだけ真剣であったのだと思います。
それもそのはず。
主人公の未来ちゃんは、私とは正反対の性格のなのですから。
私は、昔から木登りだって平気でできたし、ずぅーっと共学だし、
異性に対してそれなりの感情を抱いたことだってあります。
でも、未来ちゃんはすごく女の子らしくて、言葉遣いも丁寧で、洗礼されていて。
未来ちゃんにはあり、私にはない部分がたくさんありました。
私はいつの間にか、その部分を見つけるという癖がついていました。
未来ちゃんは架空の人物であり、第一に私ではないということを
わかっていたにも関わらず、話しの展開の中で、未来ちゃんを自分を重ねずにかいられませんでした。
だから私は、、存在しようがしまいが、未来ちゃんは未来ちゃんであり
私は私であるのだと思うことにしました。
私はどんなことをしても未来ちゃんには近づけないし、
逆に、未来ちゃんはどんなことをしても私にはなれない。
その時、やっぱり私は私なんだなぁと思いました。
かと言って、『丘の上の家のミッキー』を読んで未来ちゃんと出合った時間が無駄だとは全く思いませんでした。
今でもそう思います。
未来ちゃんと出会ったからこそ自分を取り戻せたのですから。
久美沙織先生には、とても感謝しております。
『丘の上の家のミッキー』という本を通して、私に夢を見させてくださいました。
それともう一つ。
私は、葉山を訪れてみたくてしかたがありません(笑)
2年前、この本を読んでいたときも同じことを思いました。
あの時は中学生だったので、一人で遠出をする勇気なんかありませんでしたが、
今はゴールデンウィークや長期の休みの時なんかは、
いつも一人旅をしています。
『美術館めぐり』とテーマを決めて都内の美術館に足を運んだり・・・。
次は是非、葉山や逗子に行ってみたいと思います。
ここでひとつ質問なのですが、本の中に登場する丘の上の未来ちゃんの家は、
実際に存在するのでしょうか?
もし存在するのであれば詳しく教えていただけないでしょうか?
また、葉山・逗子方面の先生のおすすめスポットなどがあれば、
さしつかえがなければ教えていただけないでしょうか?
お伝えしたい事がありすぎて、先生にちゃんと伝えられたのか不安ですが、
最後まで読んでくださった事を嬉しく思います。
ありがとうございます。
お返事お待ちしております。
それでは失礼いたします。
おかみき、喜んでいただいてうれしいです。
もう15年も前に書いた作品ですから、いまどきの高校生のかたにとっては
ものすごく違和感があるかもしれません。
執筆当時ですら、「こんな子いないよー!」とさんざん言われましたし(笑)
でも、わたしの同級生に、ほとんどあんな感じの子がホントにいたんですよー。
その何人かを合体変身させて、小説用にデフォルメしたのが未来ちゃんです。
カノジョたちのものの考えかたや感じ方は、わたしにはものすごく新鮮で
「かわいいなぁ」と思えたのでした。
葉山には、最近サッパリいっていないので、実情どうなっているのかわかりません。
森戸神社やナジマはちゃんとあると思います。
油壺のヨットハーバーや、ラ・マーレ・ド・チャヤはたぶんまだあるでしょう。
未来の家は、ザンネンながら実在しません。
ああいう立地条件の土地に建っている普通のおたくは、実はあまりないんではな
いかと思います。
でも、ああ、そうそう、アジサイ公園はありますよ。きっと。
逗子駅前から、森戸方面ゆきのバスにのって見られると、
ききおぼえのある地名が次々に出てくるんではないかと思います。
鎌倉にもちっともいっていないので、もしかするとかわってしまっているかもし
れませんが
朱海くんとうららと三人デート→二人デートになる「小町どおりのミルクホウル」は
執筆当時にはありました。あのとおりです。
エンガディーナを売っていたお店「クドウ」は、ザンネンながらつぶれてなく
なってしまったそうです。
お時間があったら、江ノ電に乗ってみられたら、面白いかと思います。
半分ぐらい海辺を走るので、お天気のいい時などだと、きっと気持ちいいですよ。
インフルエンザ、お大事に!
あったかくして、のーんびりするのがいちばんです。
1月5日 旧友よしもっちからの「あけおめ」メールについてきたHELP!の感想
そうだよ,そうなんだよって言葉が出てしまった。オイラ,乳牛の育成環境がどんなふうで,酪農家の多くがどんな問題を抱えているかなんてことは,今も人並み以上に詳しいつもりだ。にもかかわらず,この本はあまりに思い当たることが多過ぎる。
私事だけど,曽祖父は北海道で何番目かに乳牛の飼育を始めた人間で,ジャージー牛もいたそうだ。牛舎の匂いは原体臭(?)だし,手絞り・集乳缶の時代から,ミルカー(ミルキングマシン),クーラー・バキューム集乳への変遷も見てきた。だから「厩舎」ではなく「牛舎」と表記してほしかった。ニワトリ,ブタは鳥小屋ブタ小屋でかまわないと思う。ちなみに,内地の肥溜めにハマルは,北海道では牛のションベン溜めにハマルで,もちろん体験者である。
付け加えるなら,同じく曽祖父の代からの鉄砲撃ちで,縁者には80歳のいまだ現役熊撃ちもいる。さらに嫁いでもなお小生を想い続けている(はずの)順ちゃんの旧姓は深沢で,山梨出身。これも確実に思い当たる。
まぁこの程度のリアリティは作家として当然の作業なのかもしれんけど,この段階ですでに圧倒され気味。
実はずーっと昔(初めてお会いした頃の久美さんの年齢くらいのころ)消費者運動の現場にいたことがあって,酪農家との交流はもちろん,美味しい牛乳の追求なんてことをやっていたことがある。『牛乳流通の問題点と酪農家の現実』なんて感じのレポートまで書いたけど,ほとんど手応えはなかった。つまるところ「おめえの『しょーひしゃ』とのかかわりはそんな程度のものだったんだよ!」ってことなんだろうけど,そこんところでもきっちりと問題提起をしてくれているんだ。しかも圧倒的な説得力をもって。こうすりゃよかったんだ,なんて今更頷いたところで手遅れだけれど,これが小説(作家)の力なのだろうと渋々納得。これは結構胸痛む思い当たりであった。
ストーリーについては,面白かったというのみ。特に人間関係の濃厚グループと淡白グループのコミュニケーションが妙。極端に言っちまえば,私的な営みを社会的行為の中に仲良く共存させるにはどうしたらいいのかってのが,近代日本の基本テーマだったはず。下九一色で剥き身にされた退屈な日常が,そんな状況を垣間見せてくれたってのは考えすぎかナ? 攻撃的であれ守備的であれ,今後,下九的な中でボランチ的役割を果たす人間を久美作品はどう描いていくか,すごく興味あるところでもあります。ただ果たして本当に縄文自然観は,負けるべくして負けたんだろうか。あれもまた,弥生時代から綿々と続いた(今も続いている)西国原理主義者(ネオコンともだぶってきた)の過剰反応だったんじゃないだろうかと思ったりもする。
お恥す……,おもさげなござんす……って感じの健気な稲子嬢が,旨い米を武器にいつか奴等に勝利するような,そんな作品を読んでみたい気もしています。
*2003年「壬生義士伝」切なすぎると吐息,「蝦夷地別件」は知らなんだすぎと反省で,「Help」は頷き。発刊年度がマチマチなのは経済的理由。
年末から正月にかけ,東北の太平洋岸で一人でテント張ってHELPを読んでました。テントはここしばらくの正月パターンなんだけど,今回は妙に暖かながら,見事なほどに単純明快な初日の出を拝むことができました。
その昔、学研Vコースの「読者の欄」をまとめたりコメントつけたりするのを担当させていただいた頃、その欄の担当編集者で、ありとあらゆることを教えてくださったのが優しくて楽しいこのモッチさま。正社員のみなさんがカッキリ五時で帰ってしまったアト、あのどこからも遠いビルでふたりでしみじみがんばったね。そうかそんなによくご存知だったのか……だったらいろいろ教えてもらえばよかった。「厩舎」は「牛舎」と言われたのを聞き間違えてしまったのかもしれないっす。すんません。
ついでに昔話をすると、このとき、毎月のようにイラストを送ってくれていたのが一本木蛮ちゃんだったりする。蛮ちゃんもかわらないが……モッチもきっとかわらないに違いない。「蝦夷地別件」って読んでないんだけどおもしろいの? ちなみに『稲子さまinブルー』にも名前の出てくる稲子とはわたしの本名です。米話を書く予定はいまんとこないんだけど、こんど旦那といっしょに大伴家持に挑戦しようかと思ってて(ヤカモッチーは鷹好きで、だいじな鷹がいなくなっちゃって悲しいよーな歌とかを万葉集に残してます)その時代の女性の名前をいろいろ調べてたりしたんだけども(なんとかのイラツメっていうのは、どこそこのおねーちゃんって意味だから)「美稲」とかいて「うましね」っていうのがあって、我ながら自分の前の伝統的であることを思い知りました。しかし、うましねじゃあ、お馬さんに死ねっていってるみたいでちょっとなぁ。
12月29日 風さまからのメールより
私が久美さんとの作品に出会ったのは小学生の時にドラクエ5に嵌
っていた事がきっかけでした。
一巻を5時間ぐらいかけて一気に読んだのを覚えています。
小さなリュカ君が成長していく様は当時の私にものすごく勇気を与
えてくれました。初めてハードカバーの本を買った事もあったので
すが全3巻をもう4、5回は読み返していたと思います。
今でも持っています。その後はMother1、2とあけめやみとじめやみ
、石の剣シリーズ、ドラゴンファームシリーズ、DQ6、(ファンタ
ジー好きで…)と読ませて頂きましたが、所々に散りばめられた言
葉は、私の人生哲学に影響を及ぼしたのは言うまでもありません。
本当に感謝しています。ありがとうございました。
私は今、小説家を志しているのですがまだまだ未熟者です。
(続・新人賞の採り方を教えますも読みました)
たくさん色んな事を見て、知って、聞いて、それをどんどん作品に
反映できればいいなぁと思います。
そして、久美さんがくれた言葉を今度は私自身が読者の皆さんに還
元したいです。
長くなりましたが、今度は丘ミキを読んでみようと思います。
お仕事頑張って下さい。
メールありがとうございます。
そんなにいっぱい読んでくださってありがとうございます!
あなたさまは読者さまのカガミです(マジ)。
夢が実現しますように!
ニンゲン、いちばん好きなことをするために生まれてくるのですから、
忙しさにまぎれずに、時間を大切にして好きなことに投入してください。
まだまだ羨ましいぐらいお若いけれど、時間ってあっという間に
すぎてしまうものですから……
12月9日 遙さまからのメールより
はじめまして!わたしは現在18才です!私が初めて久美先生の小説を見たのは、中学校の図書室でした!「半熟せりかシリーズ」と「丘の上のミッキー」です!もうかなりはまっていきました!!しかし!!その「せりかシリーズ」は学校に全巻はそろってなく!!自分の家に全巻そろえたいと思い頑張って探したところ、全然本屋さんに無く、困り果ててしまいました!!(泣)結局購入は無理でした!現在「丘ミキ」は本屋さんに新しく並んでおり久美先生のファンとしてはとてもうれしいです!!そろえました!!やっぱり面白いです!!しかし、私としましては、「半熟せりかシリーズ」が気になってしかたありません!!やはり「半熟せりかシリーズ」を全巻揃えたいものです!!どうか購入出来る方法など分かりましたらお知らせ下さい!!メールで失礼とは思いましたが個人経営ページを見つけたものでお送りいたします!では乱文ですが失礼さしていただきます!! これからも頑張って下さい!!
メールをありがとうございます。
どちらにお住いなのかわかりませんが、東京神田の近くでないとするならば(神田には古書店がたくさんあります)インターネットのオークションなどでアラームをかけておさがしになるのが早いかと。
YAHOOのオークションには時々出てたような気もします。
集英社のコバルト編集部に、「復刊してくれ!」とお電話・お手紙などを送ってくださる、という手もあります。
おひとりではたぶん会社も動かないと思うので、おともだちを動員して、10人ぐらいの連名の嘆願書を送るとか(笑)
サイトには復刊ドットコムというところもあり、そちらでは、100人の希望があつまると出版社に働きかけてくれます。いまサーチでわたくしめの名前でなにがリクエストされているかみたところではせりかシリーズは皆無のようですねぇ(笑)
えーと、久美沙織ファンクラブのサイトにはBBSや感想ノートもあるので、よろしかったらそちらから働きかけてみてください。
あんまりお役にたてなくてすんません。
(2003年1月3日追記)
すっかり忘れてましたが、せりかシリーズはパピレスからオンラインで読めるのでした。検索のとこに久美沙織といれてくださると、出てきます。よろしく。
お返事遅くなってすみません><!あけましておめでとうございます^^!メールありがとうございました!!前回もらったメールでyahooオークションなどに行ってみたりしまして、現在、4冊ほど購入することが出来ました!!かなり嬉しい限りです!!これも購入方法を教えて下さったおかげです!後は「百九十センチの迷惑」だけです!どうしたらと考えていた所で・・。早速教えて下さった、「パピレス」に行ってみたいと思います! では、お体に気を付けて・・。
おおみつかりましたか。よかったよかった。パピレスやe-NOVELSにあったらいいなな書籍等ありましたら、みなさま、 リクエストよろしく。必ずしも実現するとは限らないですが。
12月7日 P.N 未来のナース 高1 15才 さまからのメール
小説をなかなか読めないあたしですが、丘ミキにはまりファンレターを書いたところ返事の手紙をもらい猛烈に感激し2通目も送ってしまいました。
久美蔵(久美蔵って変換なしで一発でいけました!すぎょい!)の存在を久美先生の手紙の返事で知って、先日学校で放課後パソコン室に潜り込み笑)インターネット検索いたしたました☆そしたら丘ミキの「稲様」&「トコ」の小説が載ってるのにびっくりしました!ω!コピーしょうと思ったのですができずノдゝ友達に頼んでしまいましたd(=^∀^=)b今我が家には両方の小説コピーがありまする♪ランランですσωσ中1?中2?のときに出会った丘ミキにまさかこんなはまるなんて想像はるかにこえてます!д!朱海さん!あの方はあたしのライバル`◇´みくをみくを…あたはしから奪った罪深い奴だぢょ!覚悟しぃやぁ!笑久美先生体を大切に☆彡応援しちょりまちゅるm(=-ω-=)m今はまだ8です↓かならじゅ読み上げます。でゎでゎ
わはははは。楽しいおたよりをありがとうございました。おともだちにどんどんセンデンしてくださると嬉しいっ!おたよりサンキューでした。
12月7日 はじめまして、坂倉と申します さまからのメール
先週、有燐堂で注文してどうにか『MOTHER』の小説を手に入れました。
とても面白くて、2日で読んでしまいました。
これからもがんばってくださいね。
本当は『MOTHER2』のほうも紙で読みたかったのですが・・・
大きな声ではいえませんがオークションには時々出てます。そんなに高くないです。でもできれば某新潮社に電話をかけて「2のほうは復刻しないんですか?」とかって聞いていただけると嬉しいです。10人ぐらいからそういうことがあると、ほんじゃ復刻しようって気になるかもしれません。よろしくおねがいいたします。
11月13日 榎本さまからのありがたいツッコミ
こんにちは、はじめまして。
小説版「MOTHER」を書いた人として覚えていたので、
リンクをたどってホームページを拝見しました。
そこで気になる一文を発見。
「ルールは特にない。だが卑劣なことをしたやつは一生軽蔑されるだろう」(まるしー『紅の豚』うろおぼえなんで細かいとこが間違ってたらすいません。ポルコがトニーと最後の決闘する前の空賊のボスのセリフね)
トニーって誰やねん! と。
青い飛空挺に乗ってたのはカーチスという名前ですよ。
『紅の豚』好きとしてツッコミを入れさせていただきました。
それだけです(オイオイ)。
これからもいい作品を作ってください。
それでは。
榎本隼人
うわーすみません。ちゃんと確認しないで書いたもんで。あわてて訂正しました。失礼しました。ナイスツッコミをどうもありがとうございました!
『紅の豚』のあのひとのフルネームはドナルド・カーチスさまでした。たぶん、あっしの無責任な脳みそが、カーチス → カーチスといえばトニー・カーチス(『お熱いのがお好き』など) → トニー、と無意識のうちに変換して、そのまま勝手に定着させてしまったのでございましょう……っていいわけになってないよなぁ。長年モノカキをやっていると「ミスや勘違いは担当さまか校正のひとが見つけてくれるもんだ」とすっかり信じて思い込んでしまっている! ということもあったりするかもしれないっす。
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